VWP の実験結果の分析 VWP の実験結果の分析
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細かいコードは載せませんが、 全体の流れとしては 前処理、可視化、統計分析の3ステップです。

前処理

前処理では Tobii Pro Studio で出力したデータを 分析できる形にします。 前回の「ダブルチェック」の部分で述べたのですが、 Tobii Pro Studio の出力から以下の情報を抽出します。

  • Timestamp
  • XY座標
  • 条件
  • アイテム
  • 被験者
  • リスト番号

このデータを以下の条件を満たす形に整形します。

  • 各試行の0から始まるtimestampを計算
  • その時点で見ている対象を特定
    • XY座標に対応したAOI(Area of Interest)を特定
    • AOIに入っている画像を参照
  • 被験者、条件、アイテムの情報を持つ
  • 分析の対象となるタイミングが変わる場合: アイテムに依存する「興味のある時間幅」

これがわかれば分析に必要な情報はあります。

可視化

基本的には X に timestamp, Yに見ている対象を描画すればよいですが、 二つの対象のどちらを見ているかを知りたい場合は A/B のようにできます。 おそらくですが、A-Bとすれば 1だとAへの選好性を示し、-1だとBの選好性をしめす 可視化になると思います。

分析

本的に軸は2つで、GLMの範疇かどうか、時間を指定するかどうかだと思ってます。 ベースラインとなる手法は時間を指定したGLMの範疇の分析で、 これは仮説から「この時間にこの画像が多く見られなら仮説Aを支持」 みたいな予測が立てられているはずで、 その場合はその時間幅でデータを抜き出して分析すればOKです。 そして変なところで効果が出ていたら、 考察の部分で言及して解釈の候補を与えれば良いと思います。

時間を Permutation Test で指定してから分析にかける、 という方法もあるようです。 こちらは使ったことがないので残念ながら 「そういうのがあるらしいんですが」程度の情報しか共有できません。

GLMの範疇にない場合は Growth Curve Analysis というものもあります。 Xの2乗、3乗、4乗…となるにつれてグラフの曲がる回数は増えますが、 その手の変化をモデリングできます。 これはこれでちゃんと手法があり、 ナイーブにXを増やすだけだと多重共線性にハマるので、 使うときは注意しましょう。

まとめ

以上、前処理、可視化、分析の概要でした。 細かいコードはそんなに大事ではないので書きませんでしたが、 興味のあるかたは ソースコード を乗っけておくのでそちらも参考にして、 質問があればご連絡ください。

今回の資料は以上になります。 VWPの実験を組むにあたり相談したいことがあれば 岸山までご連絡ください。

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